通信制高校は、どんな状況にあっても、人は高等教育を受ける権利が平等にあるという理念から誕生しました。しかしそのメリットは、問題点も生んでいます。
<中退率の高さ>
通信制高校にせっかく入学しても、その生徒のうち約半分は途中退学してしまうのが現実です。通信制高校は、教師による個別指導などにも限界があり、仲間をつくって触れ合うことから得られるものといったことは期待できません。不登校を経験したい人の多くが、近頃では通信制の形態も視野に入れています。しかしそのように傷ついた経緯があれば、教師の指導や仲間との交流は、立ち直りに不可欠な要素でもあります。また学業面においても、自分との戦いになる通信制高校のカリキュラムは、継続が大変困難なものでもあるのです。
<学校行事がない>
全日制高校や定時制高校では、学校行事を積極的に行っています。そこには学業だけでは得られない、意味や意義の存在があるからです。通信制においては、学校行事は全くと言っていいほどありません。コミュニケーションに自信がまだ持てない人にとっては、それがメリットとなる場合もあるでしょう。しかし学校行事から得られる学びを経験できないことは、大きなデメリットでもあります。